「どうしたら“おもしろがれる”んですか?」

ある金融機関さんの研修会で、こんな質問を受けました。
強みを引き出すには、相手に興味を持って話を聞けることが前提。だけど、どうしても興味が持てない分野ってありますよね?という趣旨でした。

たしかに、もともと興味のない分野もあります。
でも、目の前に「知らない職業の人」がいて、その人の話を直接聞ける。知らないモノ・知らないコトを知るチャンスがある。

そう思うと、スイッチが入るんです。知らないことを知れるおもしろさ。


これはどんな仕事なんだろう?
なぜこの人はこの業界で評価されてきたんだろう?
どんなこだわりを持っているんだろう?
これは、どんな背景を持ったモノなんだろう?

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そう。聞きたいことは山ほどあるんです。知的好奇心がくすぐられる。
(“知的好奇心”って言葉を使うと、ちょっと知的に見える気がして……嬉しい。余談です。)

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そして、もうひとつ。
「この人には絶対に強みがある。それを私は見つけ出したい」――そんな宝探しのような感覚。ちょっとしたゲーム性すらあるんです。

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さらに言えば、この人の背後には、家族、従業員、そしてその家族たち……
多くの人生がつながっています。
私が強みを見つけ出せなければ、もしかしたらその人たちが困ってしまうかもしれない。
そんな危機感すら抱いています。だからこそ、絶対に見つけ出さなければならない。


そんな思いで、私は相談の現場に立っています。
だから、相手の話をとことん聞いて、面白がって、強みを引き出すことができる。

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おもしろがれない話なんて、ない。
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あらゆることに興味を持てる人ばかりじゃない



そもそも、知らないことを知ったり、おもしろいものを見つけたりするのって、とっても楽しいこと。
例えば、街を歩いていて、初めて見るものに出会ったとき。
スーパーの棚で、聞いたことのない商品を見つけたとき。
「え?なんでこれ流行ってるの?」って気になって、調べたくなる。

でも以前、こんなふうに聞かれたことがあります。
「四六時中そんなこと考えてて、楽しいんですか?」

私としては、仕事だからやってるんじゃない。ただ、面白いと思って生きてるだけ。
でもそのとき、「知らないことを知る」ということ自体を"苦痛”に感じる人もいるんだと、ハッとしたのです。



つまり。
あらゆることに興味を持てる人ばかりじゃない。
「興味を持つ」って、実はスキルであり、力なんだと思いました。
しかもこれは、才能ではなくて、育てることができる力だと、私は信じています。


幼少期の成功体験を積み重ねることで育てることができる「おもしろがり力」



以前、本を出したときに、「ビリギャル」の著者・坪田さんに教えてもらったことがあります。

「子どもがいろんなことに興味を持てるのは、親が“心理的安全性”を担保しているからなんです」
子どもは、安全なところしか見ないし、興味も持たない。

「興味を持っていいよ」って伝えてあげること。
そのうえで、いろんなことを知る体験を積み重ねる。
「知らないことを知るって、楽しい!」と感じる小さな成功体験を積み重ねる。

それがやがて、「知的好奇心」につながっていく。
そして生まれるのが――「おもしろがり力」。



この力は、大人になってからでも育てることはできる。
でも、自然に備わっていた方が、もっと幸せだと思うんです。

興味を持てないことを、無理やり面白がろうとすると、そこに“仕事感”が出てしまう。
それって、けっこうしんどい。

だから私は、子どもたちにこう伝えたいんです。

「興味を持っていいんだよ」
「知らないことを、どんどん面白がっていいんだよ」

知らないものに出会うことにワクワクできる。
そんな環境を作っていきたいし、「おもしろがり力」を伸ばしていってほしいなーと思う。

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