3月2日の日経新聞朝刊に載っていた記事。

自営業者やフリーランスで働く人らが加入する国民年金では、・・・
16年12月に成立した年金改革法で、こうした第1号被保険者の女性が出産する際に産前産後の保険料を全額免除する仕組みが加わった。4月から実施する。

通常の免除期間は年金を受け取るために必要な資格期間に含めることができるが、きちんと保険料を納めたときに比べて年金額への反映が少なかった。このため保険料を追納(10年以内)しないと将来もらう老齢基礎年金は減る。今回の産前産後期間の免除は資格期間に含めるだけでなく、年金額にも全額反映させる。
「国民年金、産前産後も保険料免除 4月から新制度 」https://style.nikkei.com/article/DGXMZO41913060R00C19A3PPE001/

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結婚出産を考えると起業は選択肢じゃなくなる


起業準備をしていた女性が、
「結婚」を目の前にして、
突如、「起業を辞めます」ということ、実は少なくありません。
私もよく目にしてきました。


結婚して、出産を現実的に考えると、
もろもろ、もろもろ考えて、
やっぱり「起業をやめる」ってことになる。



出産時、無給で支出ばかり


記事の通り、産休育休中、
労働者なら、保険は免除ですが、
起業家は、保険は免除にはなりません。

また、起業家・経営者は、
雇用保険に加入できませんから、
当然、労働者ならもらえる産休手当も、育休手当もありません。

ちなみに、これは、
経営者の配偶者も、同じ企業で働いている場合は、
雇用保険対象外。
同様に手当はありません。

自分が仕事をしなければ、完全無給。

だから、
収入はなくても、出費し続けるんです。



結婚前の女性が起業に二の足を踏む理由


お腹の中で一人の人間を細胞分裂させて育てるのも、
その育った子どもをお腹から出すのも、
とても体力を使うし、疲労するし、
けっこう身体ボロボロ。
起業家といえども、
個人の責任で覚悟を持って社会で事業してるといえども、
やっぱり出産の翌日から本調子にはならないと思う。
子どもを産む前後1、2ヶ月は、実際にやっぱり働けない。


でも、
1、2ヶ月でも休んでしまうと、
復帰しても仕事はあるんだろうか、
顧客は戻ってきてくれるんだろうか。
そもそも小さな赤ちゃんを抱えて、
仕事の責任を果たし続けられるんだろうか。
という不安。
精神的な負荷がかかる。


そんな不安を払拭するかのように、
起業家さんたちは立ち向かう。
休んでいる間の仕事は、その前後にうまく振り分けたりとか、
仲間にお願いしたりとか、
この際にやり方変えたり、仕組み化したりとか
なんとかかんちか、頑張ってカバーする。

よし仕事復帰するぞ、と、
いざ2ヶ月して保育園に入れる月齢になって、
保育園に入れようと思うと、
自営業者は、実は保育園入る点数低い自治体さんとかもあって、入れなかったり。

実際に、私は、
自治体の制度として自営業者は基本的には延長保育は認めない、
保育は16時半までとされていた壁にぶち当たりましたしね。


また、実質的に、
復帰後の仕事時間は減るので、
一時的にやはり収入は減る人が多いかもしれません。


そうすると、緊急性がない場合、
まあ、とりあえず、やめよってなる。
やっぱりサラリーマンしていた方が、
リスクもない、不安もない、
仕事と育児の両立もその方がまだハードルが低いかもしれない。
そう思っちゃう。
子どもがある程度大きくなってからでもいいかと思うようになる。


そう冷静に見てみると、
独身女性の起業は、
精神的なというよりも、
制度的な、物理的なハードルがある。


女性の起業家が増えない根本的な課題解決を


行政のみなさんが、女性起業家を増やすために、
起業を選択に入れる教育もいいし、
キャンペーンもいいし、
コンテストもいいし、
補助金もいいと思う。

でも、
現実を見てみると、起業したい人が全くいないわけじゃない。
実は、
潜在層は少なからずいるんですよね。

でも、起業はしない。
それは、現実的なハードルがあるから。

起業しない一番の理由は、
周知が足りないわけでも、
創発が足りないわけでも、
立ち上げ資金に困っているわけでも、
そもそも起業前に、経営的に事業継続できるかどうかに悩んでいるわけでもないわけですわ。

だから、
コンテストをしたから、
ハンズオン支援をしたから、
事業に補助をもらったからといっても増えない。
それでは、越えられないハードルがあるから。

根本的なハードルを取り去らないと、
女性の起業家は増えないかもしれない。

起業して、結婚出産を迎えても、
やっていけそうだ!と思えるようにならないと、
結婚前の女性は二の足を踏む。

むしろ、
制度を少し変えるだけで、
女性にとっては、ハードルが下がるかもしれない。


今回の制度の改正。
いや、これだけで大きく変わるかっていうと、
いや、まだまだだと思う。
でも、
そういう現実的なハードルへの、まずの第一歩。
これから、いろんな物事が動いてくれるかもしれない、
素晴らしい一歩だと思う。


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