ホリエモンさんのツイートが、大変話題を呼んでいます。
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ご自身が保育士であり、かつ保育園を複数経営されている
NPO法人フローレンスの駒崎さんは、『保育士は「誰でもできる仕事」か』と題して、
なぜ保育士の給与が上がりづらいのか?を説明されています。
https://news.yahoo.co.jp/byline/komazakihiroki/20171017-00077003/


「貧富の差なく受けられる保育」って、なんだ?


その駒崎さんの説明の中で、
保育園ビジネスと通常のビジネスの違い。
保育園ビジネスの「公定価格」について説明されているんです。
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 こうした仕組みがゆえに、保育所の収入額は決まってしまいます。収入は子どもの数に比例し、定員一杯まで預かったら、そこで頭打ちです。それ以上に収入を増やす方法はありません。
 よって、給与引き上げの原資となる利益も頭打ちとなり、給与の引き上げは構造的にしづらい、ということになります。


そう、
そうなんですよ!!

でも、
これってもっと変えるべきだと私は思う。

ホリエモンさんのツイートをずーっと読んでいると、
私は、彼のいうところ、よく理解できるし、そうだなと思うのです。


「貧富の差なく受けられる保育」って何なのでしょうか?
それは、「みんな全く一緒にすること」、では、ないはずです。
格差があるのは事実です。現実です。
だって、この国は、資本主義国家だから。
むしろ、資本主義にもかかわらず、最低限の人権を保障しているおかげで、他国よりも社会保障制度は整っていて、ずっとレベル高く保障を受けられているはずです。

つまり、これは、
例え貧しくても、差別なく、区別なく一定レベルの保育をちゃんと受ける権利があるって、理解をしたほうがいいと思うんです。


放課後のオプションお稽古は禁止!


一保育園児の母・タカシマ、
あるご縁で知り合った英会話教室のオーナーさんとのお話しした時のこと。


<私>
 仕事をしていると、なかなかお稽古事に通うのは大変なんですよね。
 特に保育園児クラスは、レッスンの開始時間も早いから。
 15時とか16時に来てって言われても。
 そんな時間に仕事を抜けてくるのは、かなり難しいんですよね。
 英会話、とっても習わせたいんですけどね。
 保育園とかで、通常保育後にやってくれたりしないんですか?

<オーナー>
 いや、昔は、この保育園でも教室を借りて、レッスンさせてもらってたんですけどね。
 今はできないみたいですよ。
 やれるなら、やってあげたいです。



え?!!
なんでだ?!!
親が言えばできるんじゃない?!

そんな保育園の運用制度を知らない甘い考えの私は、
先生に言ってみました。


<私>
 昔は、英会話教室のレッスンを、保育園でも受けれたみたいですね。
 またやってくれませんか?

<先生>
 できないんですよね。
 保育園は公のお金が入っているので、行政(市)から禁止されているんですよ。 




これは行政ごとに、もちろん違うと思います。
これは、私が住む岐阜市の話です。
しかし、
駒崎さんのお話からするに、
どこの自治体でも一定の規制があるのは事実です。


しかしながら、
親のニーズはある
供給側にもニーズがある。
でも、全く無理。

おかしいなーと思うんです。


高い保育のレベルは、先生たちのボランティア精神にのみ委ねられている


子どもの成長にとって、保育園時代ってとっても大事だと日々思います。
私ごとで言えば、
自営業ですから、休んでいる期間は、無収入です。
なので、我が家でいうと、私は2ヶ月頃から徐々に仕事復帰し、
第1子は3ヶ月半から、第2子は5ヶ月半から、第3子は5ヶ月から保育園に預けました。

保育園に通っている間に、
物覚えがついて、
言葉を覚えて、
いろんなことを吸収していきます。

例えば、
我が家、家の中ではあまり岐阜弁は横行しません。
私は三河弁は話せますが、岐阜弁は全く話せません。
しかし、
子どもたちは岐阜弁を喋ります。

これは、
先生たちが全員、めっちゃ岐阜弁ネイティヴだからです。

いや、
方言がいいとか悪いとかって話では全くないのです。
言いたいことは、先生の影響はとってもとっても大きいってことです。

例えば、
喋り方一つとっても、先生が注意してくれる保育園がある、
例えば、
ご飯の食べ方一つとっても、先生がきちんと教えてくれる保育園がある。
例えば、
看護師がいる保育園がある。
例えば、例えばですよ、
みんな、ヨーロッパの幼児教育を勉強した先生が配置されている保育園がある。

とかって言われたら、
普段の生活で子どもに対して気をつけていることに
気をつけてくれそうな先生がいるところに、通わせたいと思うのは親の心情。

でも、
例えば、ハイスペックな先生たちを揃えるとか、
特徴を持った先生を揃えるのって、
今の給与体系、今の制度では無理なわけです。
現状でさえ、
先生たちの志、ボランティア精神に頼りきっているわけですから。
給与は安いけど、日本の未来を支える子どもたちのためだから、
頑張って!!って。


子どもたちのために、抜本的な制度改正を行う時


私は、保育士さんをめっちゃリスペクトしています。
理性もない、遠慮もないやんちゃな子どもたちと一日過ごし、子どもたちに日々笑顔で対応してくれる。
しかも、朝から子どもの理不尽に付き合いヘトヘトで保育園に送り届ける私に、先生たちは察するのか元気に声かけて、仕事に送り出してくれる。
そんな先生たちの姿には、とってもリスペクト。
リスペクト以外ないわけです。
そして、
今津太陽先生との出会いからから、
保育士の給与が低い、非効率、残業多すぎるって話を聞き、とっても心痛いわけです。
誰にでもできる仕事じゃないのに、
今は先生たちの志だけを頼りに成り立っているこの制度をなんとかしたいと、子どもを預けている親なら思うはずです。
> 今津太陽先生 https://ameblo.jp/taiyo-3sun3/


ちゃんと仕事に見合った料金を支払うべきだ。
そしてそうすることで、
実は、保育の現場の質も、もっと保証されるって。


でも、先生の賃金をあげる活路。
駒崎さんの結論は、「補助金を増やすこと」しかない。
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そう、
現状ではそうだと思います。


だから、抜本的に変えるべきなんじゃないかな。


なんのための民間活力だ?


改めて、今の制度に疑問を持った方がいい。
「貧富の差なく受けられる保育」の捉え方を再度見直し、
規制緩和することが大切だと思うのです。
子どものことだからと、むやみやたらに、何でも行政負担を増やすことだけが道じゃない。
他に稼ぎ口を見つけることをしたっていいじゃないですか。

例えば、
お稽古事業者に、教室を貸す、園児がそこへ通う。
とすると、
部屋料をもらう、
または、生徒1人にたいしての紹介マージンをもらう、
と言うことも可能なわけです。

つまり、保育料、補助金以外の収入ができる。
先生たちへの給与が補填できれば、先生たちの質も上がるかもしれない。
例え、家庭環境からオプション選択できないことで、不満が出ても、
その家庭ですら、何もしなくとも、質の良い保育を受けることができるなら、おトクなはずです。

例えば、
子どもたち対し、営利企業からのチラシを巻く時、
1枚いくらかとっても良いじゃないですか。
微々たるものかもしれないけど、確実に収入には繋がる。
そこから、
保育の備品、保育の設備、先生たちへの還元、、、
なんらか、園児たちに還元されてくるはずです。


例えば、
保育士にハイスペックな人を投入する
何か特徴を持った人を投入する、
その代わりに、利用者負担の保育料を高くする。

つまり、
保育料が入り、保育士の給与もあげられる。



保育士になりたい。
幼児教育に携わりたい。
けど、この給与じゃできないって断念している人も確実にいると思う。
人は志だけでは生きていけません。

政府は、認可園の中心となる私立の保育士の賃金を12年度から今年度までに10%上げてきたが、それでも16年の平均賃金は月22万3千円。全産業平均との差は11万円で縮まらない。
「なんで保育士の給料は低いと思う?」低賃金で負の循環:朝日新聞デジタル http://www.asahi.com/articles/ASKBB67D1KBBUTFK023.html


今、岐阜市では、全ての保育園を民営化することを目指しているようです。
他の自治体でもそういう動きが進んでいるところも多いのかもしれません。
だとすると、
だとするとです、
民間が運営する意味って、何でしょうか。

民間経営させながら、自助努力を禁止すると言う矛盾。
それじゃ、ただ人件費を安くしたいがために、
保育士を切り捨てているようにしか見えないですよね。
> https://www.e-hoikushi.net/column/76/
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補助金はもう配れない。
もう予算確保できないんだ。
でも、自助努力してくれ!!
そして良いサービス提供してくれ!!
行政はそう言った方が、賢い。

予算確保はもうこれ以上できない。
民間化したい。
じゃあ、行政は何ができるんですか?
行政は、この稼いじゃいけないって理不尽な規制を緩和することなんじゃないですか?
そうでないなら、
民間化させたからとはいえ、公務員レベルに給与を補填してあげるべきです。
そうじゃなきゃ、話は成り立たない。


自助努力するならお金はあげない制度って変


例えば、愛知県岡崎市には、
英語と中国語で運営をする保育園があります。
多言語保育園クローバーインターナショナル。
 > http://www.cloverkids.jp/tagengo.asp

実は、3人目の出産の時に、2ヶ月間、上二人の娘がお世話になりました。
とっても素晴らしい先生ばかりで、
自宅に戻ってからも娘たちは、「〇〇先生に会いたいー」とよく口にしていました。
そして、
この2ヶ月で娘たちは、英語を聞き取れるようになり、簡単な英会話ができるようになりました。
ずっとここに通わせてたいーと思わずにはいられないほど、良い環境。


そう、そんな実体験を持っている方が多いので、
申し込みしようと思っても、定員は常にいっぱい。
値段は少し高くても、ここに通いたい人が、首都圏ではない地方都市の岡崎でも、たくさんいるってことです。


こういう保育園がたくさんできるべきだと思う。
それはどう考えても、
なんの理不尽でも、なんの不平等でもない。


しかし、
こういう特徴を持った経営は難しい。
なぜなら、彼らは自立運営をしていて、補助金が入らないから。

経営者の奈良さんは、
「・・・
 保育園無償化をされると、
 うちは摘要されないので、
 料金の差がさらに大きくなって厳しいですが。
 ・・・」
とおっしゃってます。


ん?
んん??
んんん???

何かおかしくありませんか?

自助努力している、
より理想的な保育をしたい、
親のニーズにあった保育をしたい、
子どもたちの能力を伸ばせる保育がしたい、、、
そう思って、試行錯誤し、さらに経営努力をしている施設が、今の制度では報われない。
つまり、自助努力を否定する、自助努力しないところは応援する資本主義国家っておかしくないですか?


冷静に捉えても、これは国民、市民にとってもマイナスです。
つまり、
本当にいい幼児教育を受けようと思うと、
自分が子どもに受けさせたい保育を受けようと思うと、
ベラボーに高い保育料を払わねばならず、
一般市民には手が届かなくなるばかりなのです。
ますます格差です。

これはやっぱり明らかにおかしいなーと思う。


親は、ちょっとなら無理しても、
子どもの教育にお金をかけたい。
だって、子どもの将来がかかっているから。
いいじゃない、
そのニーズに対応しようと努力する保育園があったって!

自助努力にブレーキをかける規制って、本当にどうなのか、よく考えるべきだと思うのです。

確かに家庭の環境から、そういう保育園に通わせれない親だっている。ごもっとも。
だから、
そういうオプションではない基本的な保育の質・通常保育の質が、ちゃんと保証できればいいんじゃないですか?
それより上に質を積み上げていくことに、異論はないはずです。


この課題は働き方改革の弊害だ


これは働き方改革にもとっても大きな影響があると、私は思います。

実際に、
幼児教育をちゃんと受けさせたいので幼稚園に入れたいとか、
お稽古事をさせたいので長時間労働はできないとか、、、、
そういう理由で長時間働かない選択をし、
しかし、短時間で働けるところはあまりないので、
だから働くことを諦める女性も少なくありません。

また都会であれば、
幼稚園が終わった後に保育園や託児所での託児サービスを受けられることもあるようです。
しかし、
地方ではそういうサービスはとても限られている。

実際に、名古屋に住んでいる小さな子を持つフリーランスの知り合いは、
それが理由で、保育園の激戦区であっても、とにかく名古屋に住むことを決めました。


社会保障の負担は増えるばかり。
労働人口は不足するばかり。
財政は緊迫するばかり。
国の将来を担う子どもにお金をかけることは、大事なことだと、私は思う。
でも、財政にだって限りがある。
他にすべがないなら、仕方がない。
でも、現実的に、
行政は知恵を絞って規制緩和を押し、
そして民間の力をもっと引き出し、最大限に生かせば、
行政が負担を増やす以外にも、まだ道が見えると、私は思うんです。

労働力を増やすために、女性活用を促進したいと思うなら、
女性たちが、
子どもたちをより理想的な形で安心して預けられることで、
よしっ働きたい!って思えるように、手を打っていくべきではないのでしょうか。


私は、これは働き方改革の一環だと思うんです。
単に保育士の労働だけの問題ではありません。


行政が行う最大の役目は「規制緩和」


世の中には、公平性とか平等とかとかたくさんの観点から、
たくさんの規制があります。

その起点は、国民、市民への平等なサービス提供という観点から、
生まれていると思います。
しかし、
税金の払い手であり、サービス受益者である市民・国民にとって、
負担が減るまたは増えることなく、より良いサービスが受けられるということは、
嬉しいこと以外の何物でもない。


つまり、
いつも一貫して思うことですが、
行政は、お金を出すことだけが仕事ではなく、
行政しかできないことは、規制緩和をすること。
もっと円滑に、国民の生活が豊かになるように、
そのために民間の能力を最大限活用できるように、
民間の活力を最大限引き出すために、
どうしたらいのか?に「知恵」を絞ることが最大のお役目です。
補助金を出す、行政が事業をすること、つまりお金を出すことだけじゃないはずなのです。

政治家の皆さんは、いつも予算をどこに貼り付けるかばかりをおっしゃいますが、
もっと知恵を使って、民間活力を大いに国民生活に反映させるんだ!
お金使わなくたって、良い政策できるんだ!って言って欲しいなー。



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