3月2日、「第2回おかざき・まちシゴト・アイデアコンテスト最終審査会」を行いました!
一昨年前から岡崎市さんと東海若手起業塾と一緒に取り組んでいる、
地方でのソーシャルビジネス、コミュニティビジネス創出を目指した取り組みの一つ。
 > http://www.city.okazaki.aichi.jp/class/p010834.html

今回、応募総数128件から、1,2次審査、研修会を経て、16組が発表。
どれも、実現に向けて今からでも動きだせそうな勢いを持った方ばかり。
審査員・川北さんの総評にもありましたが、
「アイデアコンテスト」とすれば飛び抜けたと言えるものはない。
だからこそ、より実施に向けた具体的なプランが選ばれた!
という感じになったほど、熱のこもった機会となりました。

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「コミュニティビジネス」なんて言葉が重要ではない


このコンテスト、目的は、2つ。

1.周知
街の課題に目を向けてもらう、コミュニティビジネスを知ってもらうこと。

2.発掘
実際にやってみようという人を発掘する、または作り出すこと。


そもそも「コミュニティビジネス」、「ソーシャルビジネス」なんて、
言葉も、概念も知らない人が本当に多いんです。

そこで、岡崎市での取り組みは、
そもそも街の事を考え、街のためにできるシゴト・ビジネスがあるということを、
知ってもらうことから始めました。
知ってもらうと言う事は、
「コミュニティビジネス」「ソーシャルビジネス」という言葉を知ってもらう事ではなく、
その中身を知ってもらう事。
地域活性化はボランティア、街を良くする活動はボランティア、じゃなくてもいい!!
ビジネスで、街を良くしよう!街が良くなって、それが仕事になって良いんだ!
そう思ってもらいたい!

そして、「なら、やってみたい!」
そんな担い手を生み出す事も、地域にとっては大切。


高校生だって、地域に想いを寄せ、素晴らしいプランを作る!


一昨年に行った第1回目。
これは、まさに私にとっては、予想外の結果でした。

高校生が、グランプリ!
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彼女は、豊田の過疎地の出身。
これまで生まれ育ってきた地域へ抱いてきた想いを、
コンテストをきっかけにビジネスを考えます。
そして、ニーズを調べ、事例を調べ、作り込み、最終審査会へ。
とっても失礼な表現ですが、事業プランは、高校生が作ったとは思えないほど、
誰よりも良く出来ていたと思います。
そして、
「ゼッタイにやります!」
この力強い一言に、会場も審査員も動きました。

その後、彼女は進学のため、上京。
彼女の想いに応えたい、そう思って、
東京でしか出会えない人、そして事業実現に向けて参考になりそうな、
いろんな人や事業を紹介し、全体でサポートをしています。
先生のお話では、実現に向けて、彼女の中でも思案が深まっている様です。


「きっかけ」が人を動かす


彼女は、コンテストがなくても、動いたかもしれない。
でも、このコンテストがあったからこそ、
より早い段階で、その夢を具体的に考える事が出来たんじゃないかなと思います。

こういう機会って本当に貴重だと、私は思う。

そして、準グランプリに輝いた方も、
その後、地域の方たちと試行錯誤をして、事業実現に向けて模索をしました。

もちろん、事業は生き物ですから、成功する事も、上手く行かない事もあります。

でも、前回のコンテストから、
最終審査会に残った人も、残らなかった人も、
賞をとった人も、とらなかった人も、関係なく、
ヤリタイと思ったコトが具体的になり、そして、一歩を踏み出した人がいます。

このことって、スゴイ力だし、間違いなく、この取り組みが「きっかけ」。

「きっかけづくり」なんて、気軽に良く言いますが、本当にそう出来るのか?
これは、ハードルが低く、熱い想いを寄せる人だけじゃなく、
一般の市民も興味を寄せ、参加できる、そして、やっているうちに本気になる仕組み。
手前味噌ながら、そういう機会になりつつあるこの取り組みで、
わたしは、改めて地域の可能性の高さに触れる事が出来ています。

コミュニティビジネスが育たない課題


そして、岡崎市さんとこの取り組みを通じてこだわった事は、
単発イベントで終わらせない事。
火をつけて、予算が終わって、おしまい・・・
それでは、意味がない。
それでは、無責任すぎるでしょ?

コミュニティビジネスが育つ2つのポイント
1.恒常的な支援
結局、火がついた人を、どう支援し、その想いを形につなげるか?
つまり、単発の支援ではなく、カタチにできるまでの続いた支援が必要。
そこが、一番のポイントであり、そして、それがどの地域も出来ない。

2.「ビジネス」として通常の「産業支援」スキームにちゃんと乗る
でも、地方自治体の予算だけでは、そこまでの体力はありません。
「コミュニティビジネス」なんて、良く聞いた事もない分野では、
そんなに予算だってついていません。恒常的なサポートは出来ない。
そして、
周知が必要なくらいですから、もちろん担い手だってまだまだ少ないのです。

このコミュニティビジネスが育つための、絶対的に重要なポイントは、
「ビジネス」として、通常の「産業支援」に乗っかれる事です。
まさに、コミュニティビジネスが、事業として育たない原因の一つは、
「コミュニティビジネス」と区分され、良くわからないという一言で、
一般的な産業支援のスキームに乗れない事です。


通常の産業支援にちゃんと乗っかれる「コミュニティビジネス」


そこで、岡崎市がとった支援スキームは2つ。
・コンソーシアム
・OKa-Bizの原案

1.既存の支援をつなげる
既にバラバラに地域の中で行われている支援をつなげます。
既存の支援のスキームに乗っかれる人が出てきた時に、
ちゃんと手が差し伸べられるようにしました。

2.ワンストップかつ恒常的な支援
そもそもコミュニティビジネス・ソーシャルビジネスを考えるコンソーシアムから
もち上がったOKa-Biz構想ですが、恒常的かつワンストップ機能をもつ支援スキームは、
既存の事業者にとっても必要とされる事。
そこで、この構想は産業支援の一環として、進みます。
その支援の中に、隔たりなく、コミュニティビジネスも入ってくれればそれで良いのです。



皆が、起業する事は目的ではありません。
それが良いとも思わない。
でも、街のためにビジネスを始めるという概念が一般化することはとっても重要だし、
またそうなることで、そう言う人を応援しよう、どうせならそういう商品・サービスを使おう!
消費者側もそう思える事が、結果として、街を支える、街を作る事につながると思うのです。

今回のコンテストを通じて、
今回も素晴らしい事業の構想がたくさん産まれています。
その事業の想いが、一つ一つしっかりと成熟し、
そして、しっかりと実現化できるように動いて行けることがとっても大切だと思います。
そんな皆さんを、OKa-Biz初め、岡崎市の支援者さんたちと一緒に、
一所懸命、サポートをして行きたいと思っています!!