ぎふ女性経営者懇談会の委員メンバーに加えていただいて3年目。
その一環として、ぎふ輝く女性ネットワークの会合があり、参加をさせていただきました!
今回は、経済産業省経済社会政策室長・坂本さんのお話。
たくさんのデータから、女性の活躍が日本社会にとっていかに大事か?
を、ご教授いただきました。
女性


救世主は「女性」


既に周知されているIMFの「女性が日本を救う」というレポート。
クローズアップ現代でも、特集をされています。
 > http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail02_3261_all.html
日本では、働く女性の数が20代後半から減少します。
出産した女性の実に6割が仕事を辞めてしまうためです。
その後、再就職は増えますが、半数以上が非正規雇用。
女性が能力を発揮しきれていないことが日本の成長のマイナスになっているといいます。
このM字型のカーブは先進国ではあまり見られない現象です。
ほかの先進国並みに女性が働けば、労働力不足に歯止めがかかり1人当たりのGDPが4%増えると推計されています。  (NHKクローズアップ現代HPより)


そして、こんなデータから、坂本さんの気になった一つのご発言、
「一括した採用モデルでは、世の中に適合しない」。

まさにそうだと思うのです。
先日の若新くんのお話にもありました、
既存の枠組みに入れよう、社会で働くならこうあるべきだ!の働き方は、
既に限界に達していて、社会全体が早くここから抜け出さないと、
能力の高い人材を雇い、そして、彼らの能力がフルに発揮される状況・環境で
働いてもらう事はとっても困難だと、経験から私自身は感じているのです。
 > 若新くん講演まとめ http://takashima.blog.jp/archives/54096333.html


ダイバーシティ経営に取り組む企業の意味


女性を活かす事は、
日本社会にとって必要な事は、ある程度データから分かる。
では、個々の企業にとってどうか?

・購買決定権の7割は女性である
・多様な視点が入る事で対応力が高まるため、女性役員がいた方が破綻しにくい
・柔軟なワークライフバランスに取り組んでいる方が売上が伸びる
・優秀な人材を集めるための母集団が増える


女性を活かす事は、多様な視点を入れる事で、
プロセスに時間はかかるが、よりよい結論に至ることができるという
見方もあるうそうです。


日本社会が抱える女性の活躍を阻む課題


・第1子出産後に6割の女性が離職をする
 これは、過去20年間ほぼ変わらないそうです。
・大企業の制度整備は整っているので、正規社員は産後の就業継続率は上がっている。
 しかしながら、そもそも女性の非正規率が上がっている事で、離職率は下がらない。
・採用当時は、女性の方が能力が高いのに、職場内で女性は能力が発揮できない。
 そして、出産を機に、キャリアアップしない選択をし、一線から遠のく。


第1に、
お役所の方がそう言うからには、この結果は本当なんだろうと思います。
だとすると、
既存の社会は男性型に出来ていて、女性を活かしきれないという現実に
直面しているのです。
これは、女性の出産後の離職を食い止めろという話ではなく、
そもそも日本社会は大損失を生んでいる事になるという警鐘だと私は感じます。
これは、そもそもすぐにでも改善した方が、日本のためではなく、
個々の企業にとっても、よいだろうと思います。

そして、第2に、
子育てしながら、女性が活躍した働き方の選択が困難ということは、
男性も、働きながら子育てをすることは困難だと言うことだと思うのです。

価値観が変わる中で、プライベートあっての仕事であり、
プライベートを差し置いて、仕事に没頭する事は本末転倒だと
感じている若者も増えてきています。
プライベートを大切にしたい、充実させたいという価値観に
変化をしているのでしょう。

だとすると、
子育てにコミットできない働き方を強要される現代社会では、
そもそも男性にも通用をしない、窮屈だと感じている、
またははみ出してしまう人も増えてきているのだろうと思うのです。


地方と都市の現実のギャップ


講演を聞いた、全体の感想としては、
アベノミクスの追い風に乗って、ダイバーシティ経営を進めましょう!
という雰囲気が、首都圏では盛り上がっていると言う事は理解できました。

しかし、今回の内容を聞いて感じた事は、

1.
坂本さんご自身もおっしゃっていた通り、
都市の大企業におけるデータであり、声なのです。
では、地方においてはどうなのか?
会場からの声にもあったように、かなりのギャップがあると私自身も感じています。

2.
女性役員の登用においては、社長が必要性を感じていても、
管理職の皆さんが意識のギャップに悩まされる事も多いそうです。
そうだとすると、
今回のお話は、女性の会合で話す事ではなく、
むしろ男性経営者が理解をすることであり、
男性も交えて話さないと始まらないのです。


女性の起業を本当に促進したいのか?


また、女性の働き方の提案として「起業」を勧められる一コマもありました。
そのための施策として上がったのが、今年度から始まった補助金。
しかしながら、地方の女性の起業を支援するものとしては、
その施策は、絆創膏をはっただけにすぎない。
いや、むしろ、起業する際、リスクを抑えるようにお伝えしている身としては、
一番いい形である「身の丈起業」をないがしろにし、
むしろリスク背負って起業しろ!という施策のようにも感じるのです。

女性が起業する際、困っているのは、お金の面ではない、
もっと、本当のニーズはどこなのか?
何が起業の障害になっているのか?

今一度、しっかりと本当にお考えいただきたいなあと感じるのです。


起業の生き残り策としての、個々人を尊重した働き方のスキーム


先日の若新くんのNEETから端を発したダイバーシティ経営のお話、
そして、今回の女性活用から見たダイバーシティ経営のお話。
どちらも、
結局、今の枠組みにとらわれない働き方を許容する事で、
本人たちの個性、強み、価値観を尊重でき、
企業にとって、ひいては日本社会全体にとって、
かけがえのない成果を生み出すんだろうと思います。

そして、それはした方がいいではなくて、
そうしないと、続かない、そんな社会に変化をしつつあるんだろうと
感じています。


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